今回は、私立入試の問題でよく出題される問題を解説していきます。公立高校に比べ、私立入試の問題は少しクセがあり、テクニックを持っていないと「どこから手をつければ良いか」と路頭に迷うことが多々あります。
特に、整数や平方根を使った問題は頻出(私立入試では「その年」を使った問題もよく出ます)なので、本記事では苦手意識がある中学3年生の皆さんに向けて、詳しく説明していきます。
目次
平方根と「√」ルートの違い
まず、平方根のルールについて簡単に復習していきましょう。
「2乗してaになる数」を、【aの平方根】といいます。
例えば、2乗して9になる数は−3と3なので、【9の平方根は−3と3】と表現します。
ここで√についても考えてみましょう。
√は「2乗してaになる数が無い時につけるもの」です。
例えば、「2乗して5になる数」なんてものはありませんよね?
無いなら作ってみようということで【5の平方根は−√5と√5】と表現します。
素因数分解とは
ある整数を素数(1とその数自身以外に約数を持たない自然数)だけの積に分解することを素因数分解と言います。素数には2、3、5、7、11などがあります。
例えば、12を素因数分解すると以下のようになります。
①素数で割る(今回は最小の素数2で割っていきます)
12÷2=6
6は素数では無いので、もう一度素数で割ります。
②出てきたものをさらに素数で割る(また2で割ります)
6÷2=3
3は素数なので、ここで終わりです。
③素数だけの積で表す
12=2×2×3
12を素数の掛け算で表すことができました。
④2乗で表す
2×2は2²と表すことができるので
12=2²×3
これで素因数分解が完了しました。
√のルール
最後に、√のルールについて説明していきます。
今回は【√の中に2乗があれば、2乗を外して√の外に出せる】ことについて勉強していきましょう。
例えば、√12について考えていきましょう。
12は上の結果から2²×3と表すことができるので
√12 = √(2²×3)
そして、【√の中に2乗があれば、2乗を外して√の外に出せる】ので
√12 = √(2²×3)
= 2√3
このように、√の中から2乗のものを外に出すことを【ルートを簡単にする】と言います。
この問題を解くためのステップ
ステップ1 2024を素因数分解する
まず最初のステップとして2024を素因数分解していきます。
①2で割る
2024÷2 = 1012
②2で割る
1012÷2 = 506
③2で割る
506÷2 = 253
253は素数に見えますが、実は素数ではありません。11で割ることができます。
④11で割る
253÷11 = 23
23は素数なのでここで終わりです。
よって、2024は以下のように表すことができます。
2024 = 2×2×2×11×23
ステップ2 2乗を作って√の外に出す
素因数分解した結果、√2024は以下のように表せました。
√2024 = √(2×2×2×11×23)
ここで、2×2は2² となって2乗で表せるので
√の外に出すことができます。
ステップ3 √の中に残ったものを掛け算する
最後に、√の中に残ったものを掛け算します。
√の中に残ったのは2×11×23なので、これを計算して
2×11×23 = 506
よって、2√506が答えになります。
まとめ
いかがでしょうか?今回は、私立入試の問題に出そうな平方根の問題を解説しました。素因数分解に慣れていないと苦戦する問題ですが、内容自体はそこまで難しいものでは無かったかと思います。類題で何度も練習し、解いていてわからなくなった際は、またこのサイトに戻ってきて復習してみてください!
この記事が皆さんの学習の一助となれば幸いです。平方根の攻略法をマスターして、自信を持ってテスト・入試に臨んでくださいね!
さらに私立入試に出そうな問題を記事にしています。ぜひご覧ください!
https://jyukupri.com/%e7%a7%81%e7%ab%8b%e5%85%a5%e8%a9%a6%e3%81%ab%e3%82%88%e3%81%8f%e5%87%ba%e3%82%8b%e8%a6%8f%e5%89%87%e6%80%a7%e3%81%ae%e5%95%8f%e9%a1%8c/
文章だと分かりづらかった人は動画も見てみてください!サイトと動画で二重に勉強することで、より深く理解することができると思います。また、動画では平方根の問題の他にも、色んな問題を解説しているので、ぜひ見てみてくださいね!